店舗売上の高い場所はどこ?不動産の収益を上げる用途/業種は何?

2.3 商圏の内部構造分析

 店舗の商圏設定を行なった後に、商圏の特徴のさらなる理解を深めるためには、内部構造分析を行います。図1は、スーパーの商圏の内部構造を見るため、距離圏ごとに売上割合を棒グラフで示しています。商圏の範囲は広く、売上は10km圏のような遠方まで見られますが、3㎞圏で売上全体の5割を占め、コア商圏は狭いことがわかります。弊社では、5割商圏を「プレミアム商圏」とよんでおります。銀行のプレミアム会員は、顧客数では全体の1割しか占めていませんが、預金総額では5割を占めています。これと同じように、「プレミアム商圏」は、商圏全体の面積では1割程度ですが、売上総額では5割を生んでいるのです。店舗の経営基盤は、この3km圏の「プレミアム商圏」の人口をいかに多く取り込むかにかかっています。販売促進活動も、3km圏の内外で分けて展開すべきです。


図1  店舗の売上分布

 店舗の売上を拡大させるには、商圏がもっている潜在的需要量(ポテンシャル)を知ることです。店舗の獲得率とは、住民の支出の中で店舗の売上が占める割合(店舗の支出獲得率)を表しています。図2の1km圏では、店舗は支出の100%を獲得していますが、2km圏では4割程度になり,3km圏では30%に低下します。したがって、プレミアム商圏内でも,店舗は支出の3~4割程度しか獲得していない地区があり、店舗が吸引力を高めれば、売上を増やす可能性があることがわかります。


図2 店舗の支出獲得率の分布
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