店舗売上の高い場所はどこ?不動産の収益を上げる用途/業種は何?

事業の概要

 ジオリーテイル株式会社は、小売業と不動産業に関わるコンサルタント事業を行います。
 小売業では、人工知能(AI)を用いて、既存店舗網(チェーン店舗)の売上を説明する「高精度売上予測システム」を構築し、新規店舗の売上を予測し、収益性の高い店舗網の形成を目指します。
 不動産業では、既存店舗データのAI分析により構築された「不動産収益予測システム」を用いて、新規用地が、商業・事務所・住宅のどの用途に向いているかの「用途決定」を行います。さらに、商業用途向けの場合は、「業種決定」を行います。
 個人事業主向けには、既存店舗の店舗診断と新規店舗の店舗開発のコンサルタントを行います。

弊社のサービスの特徴

 弊社の特徴は、小売地理学に精通した専門家が、店舗売上に影響度の大きい「小売地理事象」を厳選し、売上の変動に大きく寄与する評価項目を探し出し、「高精度売上予測システム」に取り込む点にあります。AIに基づく従来の予測システムでは、数多くの変数の中から、精度の向上に関わる変数を取捨選択していました。しかし、従来の予測システムには、AIの思考回路がわからないというブラックボックス問題が潜んでいます。この問題を解決するため近年では、AIが判断した過程をホワイトボックス化する「説明可能なAI」の研究が進められております。弊社では、小売地理学で得られた知識体系をナレッジグラフとして表現することで、小売地理事象間の関係性とその強弱を明らかにします。そして、その関係性の中から変数を選び出し、売上予測システムに投入します。AIによる決定や判断に対し説明責任が問われる時代では、なぜその変数が選ばれたかの理由を説明するとともに、その変数の重要度を明示することが求められます。
 図1は、郊外のショッピングセンター(SC)内に立地している店舗の売上予測の例を示しています。取り上げる「小売地理事象」は、店舗自身のほかに、SC、市道・国道・高速道路など、目に見えるものがあげられます。また、商圏や商店街など、その範囲が見えないものもあります。なお、取り上げる「小売地理事象」は、都心・市街地・郊外といった地理ビジネス環境で異ります。
  取り上げる「小売地理事象」が選定されたならば、次に、小売地理学の理論から、それらの事象間の関係性をナレッジグラフで表現します。図2は、それらの事象間の関係性の一部を、ナレッジグラフとして表わしています。弊社は、小売地理事象の関係性の評価において、各小売企業の内部データを利用します。例えば、道路ですと、国道/高速道路の組み合わせであると店舗の売上が高いとか、商店街の店舗数は、売上に+と-のいずれの方向の、どんな大きさの影響を与えているかを分析するのです。このように施設・需要・商業・交通・地域の五つの小売地理事象に対して、売上の変動に大きく寄与する評価項目を探し出し、その評価変数を測定することで、平均誤差12.5%以内、決定係数70%といった「高精度売上予測システム」を構築します。
 なお、ここで確立された評価と売上との関係性は、小売業種ごとに当然異なります。また、同業種でも企業ごとに異なる場合も多々あります。したがって、構築される予測システムは、共同研究を行う企業に対し、個別化(テーラーメイドな)予測システムであり、企業の特色(ブランドなど)をも取り込むことで、予測精度の向上につなげています。
 「高精度売上予測システム」では、小売業種は所与であり、「どの場所」の売上が高いかを予測します。それに対し、「不動産収益予測システム」では、場所は所与であり、「どの業種」の売上が高いかを予測します。「不動産収益予測システム」では、新規用地に関する五つの小売地理事象の評価データを投入することで、収益性の高い用途/業種を提案することができます。


図1 郊外のSC内店舗に対する小売地理事象の分布
図2 店舗売上に影響する小売地理事象のナリッジグラフ

事業内容の詳細

 弊社は、小売企業に関わる二つのテーマに焦点を絞り、研究・開発とコンサルティングを行います。一つは、小売店舗の「立地」であり、もう一つはその「商圏」です。「立地」は店舗をどの場所に立地させるかであり、「商圏」は立地後のテーマで、どのようにして商品を販売していくかです。
 小売店舗の「立地」を取り扱う場合、小売企業を二つに分けます。一つは、すでに店舗網をもっている企業です。もう一つは、これから店舗網を築こうとしている企業です。前者は、既存店舗網を通じて得られた店舗の営業成績情報をAIに学習させ、AIによる小売用地選定の自動化(1.1)に取り組むことができます。後者はその情報がないので、異なる取り組みが必要です(1.2)。
 小売店舗の「商圏」に関しては、まず、商圏の範囲を設定します。今日では、GIS(地理情報システム)を利用することで、距離逓減を組み込んだ詳細な商圏を設定することができます(2.1、2.2、2.3)。店舗の経営基盤となる地域的範囲が捉えられたならば、次にその商圏内の顧客の属性情報と店舗の商品構成のマッチングを行います。既存店舗網を通じて店舗の商品構成と営業成績の情報がある場合は、その情報をAIに学習させ、AIによる商品構成の自動化に取り組みます(3.1)。その情報がない場合は異なる取り組みが必要です。
 「立地」と「商圏」に関係するデータとしては、駅勢圏と自動車交通量のデータを用意しました(4.1と4.2)。主要交通手段として鉄道交通を利用する大都市圏の都心部や市街地では、店舗の小売商圏は、駅勢圏に大きく依存します。一方、主要交通手段として自家用車を利用する大都市圏の郊外や地方都市では、小売用地の選定に、自動車交通量は重要な役割を果たします。

     1.1 AIによる小売用地選定の自動化:売上不振店を少なくする既存店舗網の再構築
  1.2 立地場所の評価:地方都市の場合と大都市圏都心部と市街地の場合
  2.1 店舗の商圏設定:店舗の経営基盤の地域的範囲を知る
  2.2 店舗の商圏分析:商圏形成に関わる要因分析
  2.3 商圏の内部構造分析
  3.1 持続可能な店舗経営:商圏の顧客属性に合った商品構成
  4.1 駅勢圏のデータ  
  4.2 自動車交通量分布図

ジオリーテイル株式会社
東京都新宿区若松町8番8
ー603号
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